V.端数処理関数
 この章では、端数の数値を切り捨てや、切り上げなどの処理をするための関数を
 解説します。
FLOOR関数は、切り捨てる関数である。

「=FLOOR(C2/C3,C4)」は、合計金額を人数で割って、その値の100円以下を
切り捨てている。


CEILING関数は、切り上げる関数である。
「=CEILING(C2/C3,C4)」は、合計金額を人数で割って、その値の100円を
切り上げている。


MROUND関数は、桁位置を数値で指定して四捨五入する関数である。
「=MROUND(C2/C3,C4)」は、合計金額を人数で割って、その値の100円の桁を
四捨五入する。


この表は、C4の金額を変えることにより合計との差をシミュレーションできる。
B8からB10の「100円単位に切り捨て」などは、「=C$ & "円単位に切り捨て"」と
関数が入っているので、「100円単位」の数値を変えてもそれに対応する文字が表示
される。
19.FLOOR,CEILING,MROUND関数 [数学/三角関数]
AVERAGE関数は、平均を求めるものである。

「=AVERAGE(C3,E3)」と入力すれば3ケ月の平均が求められる。
18.AVERAGE関数 [数学/三角関数]
EVEN関数は、数値を最も近い偶数に切り上げるものである。

注文数を2ケ入りパッケージに梱包する場合に、パッケージの数量を計算するときなどに
使用できる。
「=EVEN(C3)」と数値を指定すると、最も近い偶数が返される。それによってE列で1/2
して、パッケージ数を算出できる。
17.EVEN関数 [数学/三角関数]
FIXED関数は、四捨五入した値に区切りカンマを付けるものである。

上記の表のように、ROUND関数では、四捨五入した値に区切りカンマがつかない。


E3セルに、「="約"&FIXED(C3,−3)&"人"」と入力する。
FIXED関数を使うと、四捨五入した値に区切りカンマが付いている。


FIXED関数の引数は、「=FIXED(数値,桁数,桁区切り)」となる。桁区切りは省略出来て、
省略した場合は、カンマが付けられる。
桁区切りの引数は、「FALSE」でカンマが付き、「TRUE」でカンマが付かない。
16.FIXED関数 [数学/三角関数]
ROUNDDOWN関数は、桁を指定して切り捨てる関数である。

「=ROUNDDOWN(C3,−3)」と入力すると、123000と表示される。
上記の表の様に、値が整数と小数点のある数値では引数によって、結果が変わる。


小数点のある数値の場合では、「=ROUNDDOWN(C6,−1)」と入力すると、120.000と表示される。
●これは、マイナス数値を引数に指定すると、整数部の桁位置が切り捨てられることになり、
 「ー1」を指定すると、123.456の整数部一桁目の、3が切り捨てられて、0になるから、120.000
 になる。


小数点のある数値の場合では、「=ROUNDDWN(C8,1)」と入力すると、123.400と表示される。
●数値が整数の場合、引数は切り捨てたい桁数を、マイナス数値で指定するとその桁位置とそれ以下の
 桁の数値が0になる。
●数値が小数点のある値の場合は、小数点以下を切り捨てることが目的であるから、引数はプラスを
 入れることになり、引数の値が小数点以下の桁位置を指し、その桁を残してそれ以下の数値が0になる。

尚、小数点以下の表示桁数を減らす場合は、上記のコマンドから増加、減少ができる。
15.ROUNDDOWN関数 [数学/三角関数]
ROUNDUP関数は、桁を指定して切り上げる関数である。

ROUNDUP関数は、値と引数を指定する。
整数の場合
 「=ROUNDUP(C3,−3)」と入力すると、三桁目が四桁目に繰り上がる。
 「=ROUNDUP(C4,−2)」と入力すると、二桁目が三桁目に繰り上がる。
 「=ROUNDUP(C5,−1)」と入力すると、一桁目が二桁目に繰り上がる。
小数点のある値の場合  
 「=ROUNDUP(C7,1)」と入力すると、小数点第二位が小数点第一位に繰り上がる。
 「=ROUNDUP(C8,2)」と入力すると、小数点第三位が小数点第二位に繰り上がる。
 「=ROUNDUP(C9,3)」と入力すると、小数点第四位が無いので何もしない。
14.ROUNDUP関数 [数学/三角関数]
ROUND関数は、桁を指定して四捨五入する関数である。

上記の様に、E6セルに、「=ROUND(E5*0.1 ,0)」と入力すると 488 と表示される。
また、数値が通貨の場合は、自動的に四捨五入される。(\488) しかし、これは表示上
だけで、データが四捨五入されている分けではない。ほかの計算に使うと誤差が生じる。


ROUND関数で、桁数を指定して四捨五入したい場合は、「=ROUND(C3,−1)」の様に
引数に「−1」を指定すると、123,460 と一桁目が四捨五入されて繰り上がる。


引数による違いを確認してみよう。
整数の値の場合、
 「=ROUND(C3,−1)」と入力すると、一桁目の 6 が四捨五入されて繰り上がる。
 「=ROUND(C4,−2)」と入力すると、二桁目の 5 が四捨五入されて繰り上がる。
 「=ROUND(C5,−3)」と入力すると、三桁目の 4 が四捨五入されて、切り捨てられる。
小数点のある値の場合、
 「=ROUND(C8,0)」と入力すると、小数点第一位の 4 が四捨五入されて、切り捨てられる。
 と言うことは、小数点のある数値のROUNDでは、引数を省略すると、小数点以下が切り捨てられる
 ことになる。
 「=ROUND(C9,1)」と入力すると、少数第二位の 5 が四捨五入されて、少数第一位に繰り上がる。
 「=ROUND(C10,2)」と入力すると、小数第三位の 6 が四捨五入されて、小数第二位に繰り上がる。
 「=ROUND(C11,3)」と入力すると、四捨五入される値が無いので、なにもされない。

●ROUND関数を使用して、五捨六入の端末処理が必要な時の方法を示します。

五捨六入は、5以下を切り捨てて6以上を切り上げる処理である。
例えば、「1.5」の少数第一位を五捨六入して、「1.0」にする場合、「1.5」から「0.1」を
引いて「1.4」にしてROUNDすると「1.0」になる。この考え方を利用すると、どの桁でもできる。
13.ROUND関数 [数学/三角関数]
TRUNC関数は、小数点以下を切り捨てる関数である。
INT関数とTRUNC関数を比較してみよう。


TRUNC関数は、「=TRUNC(数値 ,桁数)」の様に、引数で小数点の桁数を指定して
切り捨てることができる。上記の表のように、1.45をINT関数では、1と表示し、
TRUNC関数では桁数を1に指定しているので、1.4と表示する。



上記の様に、TRUNC関数の引数を指定しないと、小数点以下が切り捨てられる。



マイナスの計算では、INT関数は、元の値を超えないように「−1.45」を「−2」に
調整する。「−1」では「−1.45」より大きくなるからである。
大きくなれば、切り捨ての意味がなくなる。



TRUNC関数では、「−1」の様に引数の桁を指定しないと、「−1」と単純に
小数点以下を切り捨てする。



TRUNC関数は、引数の桁数を指定すると、「−1.4」の様に、小数点以下一桁が
表示される。
12.TRUNC関数 [数学/三角関数]
INT関数は、小数点以下を切り捨てて整数にする関数で、引数には切り捨ての対象と
なる[数値]を指定する。


セルE8には、「=INT(E7*0.1)」と記入されている。結果、E8セルには、
小数点以下切り捨ての数値が表示される。F8セルの 837.5 の整数部だけを取得する。
11.INT関数 [数学/三角関数
 
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